ISO Salon 15189のメンバーで検討した事例をご紹介します。
事例を追加しました New!(2025/6)
臨床検査室の認定審査に関わる複数(現在20数名)の審査員が、疑義のある指摘文書(項番も含む)の適切性を討議
することで、国際規格の要求事項の意図するところをより明確化し、指摘文書の適切性を評価する活動をしています。
① 要求事項:4.1 d)
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●要求事項 : 内容は規格書の該当項番を参照ください。
●指摘文書 :公平性のモニタリングは行われているが、記録がない。
●質問内容 : 記録まで求められるのでしょうか?
② 要求事項:6.3.2 e) New!(2025/6)
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●要求事項 :内容は規格書の該当項番を参照ください。
●指摘文書 :室温湿度、保冷庫の温度に関する記録、モニターは確認できるが、定期的なレビューの記録がなされていない。
●質問内容 : 定期的なレビューの記録がないが、各温度記録表に毎月、管理者が承認印をついていることはレビューとなりますか?(異常や問題がないので承認印をしている)
③ 要求事項:6.4.3 New!(2025/6)
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●要求事項 : 内容は規格書の該当項番を参照ください。
●指摘文書 : 機材受入の基準が不明確。(超音波装置)
妥当性確認手順書には、機材受け入れ基準として新規導入装置と既存の超音波診断装置との機種間差を評価する手順が記載されているが、その基準が「現有装置と同等の画質」であることとされており基準があいまいで不明確である。
●質問内容 : 精密さを達成するためには具体的な基準が必要だと考えて「機材受入れの基準が不明確」としましたが、逆に客観的な基準とはどのようなものがあるのか。なお受入れ時の妥当性確認の記録は保持されていた。
④ 要求事項:6.6.7
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要求事項 : 内容は規格書の該当項番を参照ください。
指摘文書 : 試薬及び消耗品の記録が一部で適切でない。
詳細:分析装置の保守管理で使用される小分けされたエタノール、ハイター及び生食に実施者及び期限の記載がない。
質問内容 : 小分けされた溶液にも記載は必要なのでしょうか?
⑤ 要求事項:7.3.1e) New!(2025/6)
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●要求事項 : 内容は規格書の該当項番を参照ください。
●指摘文書 : 検査プロセスで不備がある。
詳細:新規項目においては、検証手順書に基づいて実施はできているが、既存項目については定期的に評価が出来ていない。
●質問内容 : 既存項目についても定期的な評価が必要でしょか?活動リストは定期的に見直しています。
→活動リストの変更(見直し)は、方法等の変更があった場合に生じることなので、活動リストの見直しが検査方法の評価をしている事には該当しないと考える。
⑥ 要求事項:7.7.1
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● 要求事項 : 内容は規格書の該当項番を参照ください。
● 指摘文書 : 苦情処理のプロセスの記述が一部公開されていない。
詳細:検査案内で臨床には苦情処理のプロセスの記述を公開しているが、患者に対して公開されていない。
● 質問内容 : 検査案内は臨床に公開しているのでそれだけではダメなのでしょうか?
⑦ 要求事項:8.5.2 New!(2025/6)
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●要求事項 : 内容は規格書の該当項番を参照ください。
● 指摘文書 : 8.5 リスク及び改善の機会に対する取組み
詳細:検査室は,外来採血室における患者の気分不良の対応についてリスクと対応を洗い出し、採血手順書に記載し、救急カート等の整備もされていた。
実施訓練についても記述があり、前回の実施訓練記録の日付は約4年前であった。
●質問内容 : リスクに応じた取り組みに関して、実施訓練は機関さんの裁量によるものと考えられるが、外的な要因としてSARS-CoV-2パンデミックや災害(地震・水害)も考えられうる。前回実施が4年前は妥当か?